高齢期の住まいを考える


前回の続きの内容になりますが、今回は、高齢期の住まいについて高齢者用の住まいや施設に絞り込んで考えてみます。
年齢でいうと、65歳位からの仕事を退職するころからがそのタイミングとなる感じですが、平均寿命が長くなり、定年の年齢も上がっている近年においては、準備のタイミングはそれぞれの状況によるのかもしれません。
高齢期を過ごす
人生100年時代と言われる現代、高齢期はただ「老後」として静かに暮らす時期ではなく、自分らしく充実した時間を過ごす新たな挑戦のステージでもあります。
特に日本では、高齢化が社会全体の大きなテーマとなっています。
2025年には、65歳以上の高齢者数が約3,657万人に達し、総人口に占める割合は29.1%に達すると予測されています。(参照元:厚生労働省)
こうした状況の中、高齢者が安心して暮らせる住まいの確保は、社会全体の課題であると同時に、個人や家族が考えるべき大切なテーマです。
住まいは日々の生活を支える基盤であり、心身の健康や幸福感に直結しますので、快適で安全な空間を整えることが、高齢期を豊かに過ごすための鍵となります。
このブログでは、高齢期の住まいについて、高齢化の現状や課題を踏まえながら、選択肢や工夫すべきポイントを詳しく掘り下げていきます。今まさに住まいを見直そうとしている方や、将来を考えるきっかけを探している方にとって、有益な情報となれば幸いです。


高齢者向け住宅の主な種類
- 高齢者住宅:賃貸借契約で居住権が保障され、サービス内容や契約条件は物件によって異なります。
- サービス付き高齢者向け住宅:安否確認や生活相談などの基本サービスが提供される住宅です。
- シニア向け分譲マンション:高齢者向けの設備やサービスが付加された分譲マンションで、自立した生活を送る方向けです。
選び方のポイント
高齢者住宅を選ぶ際は、以下の点を考慮することが大切です
- 身体状況や要介護度
- 入居時期と入居地域
- 想定費用
- 本人と家族の希望条件
また、具体的な施設を選ぶ際は、以下の点に注目しましょう
- サービス内容
- スタッフの体制
- 夜間の緊急時対応
- 介護・医療等の体制
- 雰囲気
- 費用
- 契約内容
留意点
高齢者向け住宅を選ぶ際は、以下の点に注意や検討することが必要だと考えます
- 物件ごとに提供されるサービスや居住空間が異なるため、個別に確認が必要です。
- 介護が必要になった場合や認知症が重度化した場合、介護施設への住み替えが必要になることがあります。
- 家賃以外に管理費が必要で、費用が若干高めになる可能性があります。
まとめ
高齢期は人生の総仕上げとも言える貴重な時間です。この時期を安心して、そして充実して過ごすためには、自分に合った住まいの選択が欠かせません。近年、高齢者の住まい方も多様化しており、従来の家族と同居する形や介護施設だけではなく、新しいスタイルが注目を集めています。
例えば、シェアハウス型の住まいや、地域のコミュニティと連携した「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」など、他者との交流を重視した住まいが増えています。また、終の住処として家をリフォームして快適に暮らす選択肢もあれば、リゾート地や田舎でスローライフを楽しむ「移住」や「二地域居住」も人気です。こうした新しい暮らし方は、高齢者が孤立せず、安心して生活できる仕組みを提供しています。
さらに、テクノロジーを活用した住まいも注目されています。見守り機能がついたIoTデバイスや遠隔で家族とつながれる仕組み、AIを活用したヘルスケアサポートなど、安心と便利さを兼ね備えた住まいの形が今後ますます進化していくでしょう。
また、高齢期を豊かに過ごすためには、社会とのつながりが重要な要素となります。高齢者が地域社会に参加し、役割を持つことで、自分自身の存在意義を感じられると同時に、心身の健康を保つことにもつながります。地域のボランティア活動や趣味のサークル、コミュニティカフェなど、住まいを基盤にして広がる社会的なネットワークは、孤立を防ぎ、人生に彩りを与えてくれます。
住まいは単なる生活の場ではなく、交流や学びの場としても機能します。地域社会とのつながりを意識した住まいの選択や工夫は、高齢期の幸福感を大きく高めることでしょう。
これからの人生をより安心して暮らすための準備を今から始めることが、未来の自分や家族の幸せにつながります。どんな場所に住むにせよ、そこが「自分らしい暮らし」を実現できる場所であることを願っています。このブログが、少しでもその選択のお手伝いになれば幸いです。

